エジプトの次期大統領候補とされている、ムハンマド・エルバラダイ氏に対する、政府側(?)の締め付けが、厳しくなってきているようだ。ムハンマド・エルバラダイ氏は、現在のエジプトを非民主的な国家だとして批判し、大統領選挙に立候補する方向に、向けて動いている、
ムハンマド。エルバラダイ氏を推す側の陣営(反政府陣営)は、憲法改正なしには、ムハンマド・エルバラダイ氏の立候補が、不可能であることから、国民の署名を集める、署名運動を展開している。
そのことにより、改憲を求める国民が、いかに多いかを、エジプト国内外にアピールして、ムハンマド・エルバラダイ氏を始め、野党勢力の人士の、大統領立候補を阻む、大きな厚い壁を壊そうとしている。それは、今までのところ、成功しているようだ。およそ100万人の改憲支持者の、署名を集めることが出来たからだ。
こうした動き以外にも、ポスターを張り出して、ムハンマド・エルバラダイ氏をエジプト国民に、広く認知させようという動きも、活発に展開された。現在のところ、こうしたムハンマド・エルバラダイ氏側の攻勢に対し、ムバーラク大統領の二男である、ガマール氏側の動きは、遅れがちのようだ。その最大の原因は、ムバーラク大統領が終生大統領を、希望しているのではないか、ということに対する、遠慮かからであろうか。
守勢に回るガマール陣営、あるいはムバーラク陣営はここにきて、ムハンマド・エルバラダイ氏の娘を引き合いに出し、非難キャンペーンを展開し始めた。それは、彼女の水着姿の写真を、公表することだった。
現物を見ていないので、何とも確かなことは言えないのだが、多分、セパレート型のものであろう(ビキニ?)。それを身に着けて、人前に出るということは、イスラム教の世界では、恥ずべき行為ということになるのだ。
加えて、彼女が開いた(参加した?)パーテイでは、アルコールが供された、ということも暴露された。(彼女はほとんどの人生を、外国で過ごしてきていることから、水着姿もアルコールにも、何の抵抗もなかったものと思われる。しかし、ムハンマド・エルバラダイ氏はムスリムであることから、自分の子供にイスラム教育をしていなかった、と責められることになるのだ。)
この情報はムハンマド・エルバラダイ氏にとって、極めて不利なものになるのではないか。そして、彼を支持する側にとっても、不利な材料として働こう。ムハンマド・エルバラダイ氏を、強く推している組織は、ムスリム同胞団であり、彼の娘の水着姿やアルコールの出るパーテイへの参加は、ムスリム同胞団にとって、決して認められるものではなかろう。
あるいは、今回のこのスキャンダル情報は、そのあたりを狙って、反政府側を分断する、考えに基づいたものかもしれない。もしそうであるとすれば、なかなか巧妙な作戦ではないか。