「イスラエルは世界で孤立しているか・各種調査結果」

2010年8月20日


 

 イスラエルのテルアビブ大学が行った世論調査によれば、イスラエルは国際社会のなかで孤立している、イスラエルがどう対応しようとも、世界はイスラエルを、非難するだろうというものだった。

 このテルアビブ大学の調査によれば、イスラエル国民は、世界の56パーセントがイスラエルに敵対的であり、54パーセントはイスラエルが世界コミュニテイのなかで孤立している、という結果が出た。

 この結果、イスラエル国民の77パーセントは、イスラエルがどうパレスチナ問題に対応しようとも、世界はイスラエル非難を続ける、と考えているということだ。

 他方、イスラエルに国籍を有するイスラエル・アラブ人(パレスチナ人)は、国際社会全体で、イスラエルが孤立しているとは思わない、と答えた者が75パーセント、イスラエル体制が世界のなかで、孤立しているとは思わないと答えた者が51パーセントいた。

 しかし、イスラエル・ユダヤ人の66パーセントが、政府は国際社会のなかで、失敗したと判断している。これに対し、イスラエル・アラブ人は44パーセントが、イスラエル政府について「良い」「非常に良い」という評価を、下している。

 今回のテルアビブ大学の世論調査結果は、もう一つの世論調査の結果に影響を受けたものなのか、あるいは、その結果に左右されないものかは分からないが、もう一つの世論調査結果は、イスラエル・ユダヤ人にとって、極めて厳しい内容になっている。

 そのもう一つの世論調査は、アメリカ・ユダヤ組織によって、実施されたものだが、その結果は以下のようなものになっている。

 

:アメリカはイスラエルを支援する必要があるか?

―2009年8月:YES63%

―2010年6月:YES58%

―2010年7月:YES51%

 

:イスラエルをどう思うか?

「ドイツ」

―暖かい非常に暖かい:19%

―冷たい非常に冷たい:50%

:パレスチナ人をどう思うか?

―暖かい非常に暖かい:26%

―冷たい非常に冷たい:39%

「フランス」

―暖かい非常に暖かい:24%

―冷たい非常に冷たい:31%

「スエーデン」

―冷たい非常に冷たい:49%

 

 この二番目の与論調を査前にした時、イスラエル・ユダヤ人が、イスラエルは世界で孤立している、と感じても自然であろう。それは多分に、イスラエルの取った行動の結果であるということを、イスラエル・ユダヤ人は、真摯に受け止めるべきではないのか。

こうした国際的に孤立した状態に、イスラエルが陥った理由は、何も諸外国の、人種差別的な理由によるものではなく、イスラエルが行ったガザ戦争、トルコの支援船フロテッラ号への襲撃などが、主に原因しているのであろう。

イスラエルはそのことを、冷静に受け止め、国際社会から歓迎される、国に変化していくべきであろう。