イギリスのガーデアン紙が、在イラク・アメリカ軍の今後について、記事を掲載している。それによれば、簡単に言うと「アメリカ軍はイラクから撤退せず、永久に駐留を続ける。」ということだ。
以前から言われてきたことだが、2003年3月のアメリカ軍によるイラク攻撃と、その後の駐留の間に、アメリカ軍はイラクのなかに、何十という軍事基地を、建設してきている。
ガーデアン紙の記事によれば、イラク国内にあるアメリカ軍の軍事基地の数は、94基地にも上り、5万人の兵士が、今後も駐留を続けるというのだ。アメリカ軍は今後、ほぼ永久にイラクに留まるために、その駐留の名目を、変えるに過ぎないというのだ。
アメリカ軍は「イラク国内の安定の維持」を、今後の駐留の名目とし、イラク軍に対する「軍事訓練と指導を行う。」。あるいは「テロとの戦いと、治安の提供。」ということになるようだ。
アメリカの国務省はイラクに対し、今後、2700から7000人の特殊戦闘員の派遣も、検討しているようだ。そのようなアメリカ軍の長期駐留を、裏付けるものとして、世界最大のアメリカ大使館が、イラクのバグダッド市に建設されたことを上げることが出来よう。そのアメリカ大使館の規模は、ほぼバチカン市国と、同じ面積だということだ。
そもそも、アメリカがイラクに攻撃を始めたのは、何が目的であったのかといえば、石油以外の何物でもあるまい。アメリカの3大石油会社が、イラク政府との間に、発掘の契約を取り付けている。一説によれば、ほとんどがチェイニー元国務長官の関与する、石油企業だということだ。
もちろん、そのことをイラク国民は十分に承知していよう。そうであるとすれば、今後、イラク国民によるアメリカに対する抵抗活動は、永久に続けられるということではないのか。そして、常に不安定な状態に置かれる、イラク政府(傀儡政府)の保護を名目に、アメリカ軍はイラクの警察や軍の指導、訓練、指揮を、執っていくということであろう。
また、そのことはアルカーイダ(?)のような、イスラム原理主義者組織にとって、イラクは永久に活動を続けられる、国ににもなろうということだ。最近になって、イラク国民のなかから、数千人ものアメリカ移住希望者が、出てきているというニュースもある。
イラクは石油資源が原因で、アメリカを始め、世界の先進国の食い荒らす、好餌国家になってしまったのかもしれない。