イランの強弁は本当か

2010年8月 2日

            

 イランがアメリカに始まり、いまヨーロッパ諸国からも、強度の経済制裁を受けようとしている。これらの国に加え、サウジアラビアやアラブ首長国連邦に対しても、アメリカは経済制裁を実施するよう、圧力をかけている。

 アラブ首長国連邦の構成国の一つであるドバイは、いままでイランとの密貿易が、大きなシェアを占めてきていただけに、それが厳正に実行されることになれば、ダメージは大きかろう。

 イラクでも、イランの銀行二行が、開設間際になって、アメリカの圧力で実現不可能になるようだ。日本などは、何の抵抗もなく、アメリカの命令に従うのであろうか。

 イランはこのアメリカの強硬な経済制裁を前に、自国が十分抵抗できることを強調し始めている。例えば、石油関連の触媒材料や、設備の部品の製造が、イランの企業で可能になったことを、伝えている。イラン政府はアメリカによる経済制裁が、結果的にイランの工業レベルを高めている、とさえ言いたいようだ。

 加えて、イラン政府はガソリンの備蓄量が、イラン暦の昨年に比べ、今年の第一四半期には、15パーセントも増えていると発表している。そして、製油所の建設も可能だと主張している。

 実際のイランの工業レベルが、どの程度のものであるかは知らないが、最近になって、中国やトルコから、およそ40パーセントの国内消費用ガソリンの、輸入が取り決められたという、ニュースが伝わっている中では、一概には信じられない。もちろん、ある程度の生産は可能であろうし、それが拡大していることも、事実ではあろうが。

 この話が持ち上がる度に、思い浮かべるのは、日本が大東亜戦争末期に、松の木から、松根油を造っていたことだ。窮鼠猫をかむではないが、追い込まれれば、いろんな知恵と努力と工夫が、出てくるものであろう。