弱い者虐め?米のUAEに対するイラン制裁強要

2010年7月 4日


 アメリカがUAE(アラブ首長国連邦)に対し、イランへの経済制裁を、徹底するよう働きかけている。それは、実際には強制であろう。UAEにはアメリカの意向を拒否する、何の力も無いからだ。

 しかし、UAEの、なかでもドバイの場合、イランとの貿易が占める割合が大きかっただけに、相当なダメージを受けるはずだ。ドバイはそれ以前に、経済的窮地に陥っているだけに、今回のアメリカによる、イランとの貿易停止要請(命令)は、相当応えるものと思われる。

UAEとイランとの関係は、これまでイランに対する制裁のなかで、繁栄してきていた部分がある。イラン産のペルシャ絨毯の決済は、ドバイの銀行で行われ、輸出もドバイ経由だったと思われる。

イランのもう一つの輸出品ピスタチオも、ドバイの空港で大量に売られていたが、輸出もそうであったのではないか。つまり、イランにとってUAEのドバイは、江戸時代の長崎の出島のような、役割を果たしていたということだ。

アメリカがUAEに対して、厳しいイランとの取引禁止を言い出したのは、あるいはUAEからの、ガソリンの輸出にあるのかもしれない。これまでそうであったとすれば、イランは相当応えるかもしれない。

イランの対応を見ていて、何時も感じるのは、日本に対するアメリカによる、追い込みのことだ。結果的に、日本は耐え切れなくなって、大東亜戦争に突入していったが、それと似通った状況に、イランはあるのではないか。

ただ、日本の場合とは違って、イランはユーラシアに続く地理にあり、密輸は量こそ減るものの、耐えることはあるまい。したがって、日本のような万歳作戦には、ならないのではないか。

しかも、イランがホルムズ海峡を、封鎖する可能性もあるし、アメリカ海軍がペルシャ湾に集結すれば、イラン側にとっては攻撃しやすい、ということでもあろう。人工衛星と無人機、そしてミサイルを使う、新たな戦争形態をもってしても、イランを打倒するのは、容易ではないかもしれない。イラクのサダム体制との戦争が、見事なまでの完全作戦だったが、そのことを、イランはよく研究しているのではないか。

アメリカが採るであろうと思われる作戦は、イラン側の通信を完全に遮断し、偵察衛星で得た画像と無人機、ミサイルによる攻撃の組み合わせによる、イランへの攻撃であろう。アメリカはイランの戦略地点を一気に落とし、イランの体制を打倒しなければ、湾岸諸国やイラクで、報復を受けることもありえよう。

この戦争の場合、問題は人の生命の値段と、両国の兵士の士気ではないか。アメリカの将兵たちは、イラク、アフガニスタンとの二つの戦争で、大分疲労していよう。この上、イランとまで戦争したいと思っている、軍の将兵は少ないのではないか。

アメリカによるUAEに対する、貿易取引の締め付けは、結果的に、UAEを不安に追い込み、反米感情を拡大することになるのではないか。既に、アラブの左派系マスコミでは、イラン・アメリカ戦争の結果、アメリカ寄りのアラブの体制は、危険に追い込まれる、と警告しているのだ、。