イラン・モッタキ外相の講演会

2010年5月31日

 イランのモッタキ外相が急遽来日し、日本の外務省と交渉があった。イラン大使館からその合間を縫って、モッタキ外相の講演会を、開催してほしいという依頼があった。

当方としては、世界の最も関心の高い国の、外務大臣の講演ということで、喜んで受けることにした。5月31日正午から約2時間半の時間を、割いていただくことにした。

 講演はいたって穏やかな雰囲気の中で行われたが、それはイランの外相だけではなく、イラン国民が日本人に寄せている信頼感に、裏付けられたものであったと思われる。当然のことながら、いい雰囲気のなかでの講演には、必ず普通以上のサービスがあり、ここでしか聞けない裏話が幾つも飛び出した。

 たとえばトルコとブラジルが核燃料の交換を、イランに持ちかけていたとき、アメリカが両国を激励し、オバマ大統領が両国に対し、親書を送ったという話が出た。この点については、種々異なる情報もがあるが、案外真実であろうと思われる。

 そのためであろうか、質問者がもしアメリカが、トルコとブラジルが進めている仲介を否定した場合に、イランはどうするのかという質問に対し、アメリカは反対しないから進むだろう、という楽観的な見通しを語っていた。

 そもそも、トルコが最初に仲介役を始め、次いでブラジルがそれに参加する形になった、今回の両国の動きの裏には、われわれには知りえない、国際間の裏取引があったのかもしれない。

 講演会の終わった後、質問してくれた3人とテレビ局の参加者を、喫茶店に誘い意見交換をした。そのなかで、誰言うとも無くモッタキ外相は来日後、すぐにベルギーに飛ぶといっていたね?

多分、イランは日本の面子を立てて、最終的なアメリカの意向打診か、アメリカへのメッセージを、日本に伝えに来たのではないか?それをもって、モッタキ外相はEUの本部である、ベルギーに向かうのではないか?という推測がなされた。

トルコを舞台に、低濃縮ウランと高濃縮ウランが交換されることになれば、高濃縮ウランはフランスしか提供できない。したがって、この取引の最終的な行き着く先は、EUだろうということになった。

モッタキ外相の講演内容、質疑応答の様子は以下のアドレスで見られます。皆さんも判断してみてください。イランの核問題が平和裏に収まることを、望むばかりです。モッタキ外相の講演が見られる、笹川平和財団中東イスラ-ム基金アドレス。http://www.ustream.tv/recorded/7345596