ちょっと簡単には信じたくないような内容の話なので、少し前に報道されたが、これまで無視していた。しかし、同じ情報が2度流れたので、念のためにご紹介しておこう。
真偽のほどの確認のしようは無いのだが、その話は、イスラエルのリーバーマン外相によって、語られたものだ。彼はイスラエルが2008年12月から2009年1月にかけて、ガザ地区を攻撃したとき、パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が個人的に連絡を取り、ハマースの殲滅をイスラエル側に依頼したというのだ。
そして、ガザ攻撃の後、ハマースの勢力が残存すると、マハムード・アッバース議長は全く違う立場を取りし始め、イスラエルのガザ攻撃を、非難し始めたというのだ。
このリーバーマン外相の発言は、オルメルト元首相の側近が確認しているが、パレスチナ自治政府高官であり、マハムード・アッバース議長の側近であるナビール・アブルデイネ氏は、もちろん否定している。
さて、リーバーマン外相とマハムード・アッバース議長の、どちらを信用すべきなのか。もちろん、この情報が流れてしまったことによるダメージは、どれだけマハムード・アッバース議長側が否定しようとも、消え去りはすまい。
マハムード・アッバース議長と側近の汚職体質は、アラブ世界ではつとに知られていることだし、彼と側近に対する信頼感は、パレスチナ社会では低下の一途をたどっている。
今回のこの情報が流れたことにより、真偽のほどは明らかにならなくとも、ハマースの立場は強化されるだろう。イスラエルにしてみれば、ハマースは叩きたいが、だからと言ってマハムード・アッバース議長の裏切りも見過ごせない。結果的に、パレスチナ側は強硬派が勢いを増し、イスラエルにとっては不都合な状況が、鮮明になっていくということであろうか。