アラブ首脳会議後のパレスチナの反応

2010年3月31日

 カダフィ大佐率いるリビアのシルテで、アラブ首脳会議が開催されたが、その後に幾つかの問題が浮上してきている。

 第一に挙げられるべきことは、このアラブ首脳会議の結論に、パレスチナのハマースがクレームをつけたことだ。ハマースのスポークスマンであるファウズィ・バルホウム氏は、「単なる時間の無駄であって、何等得るものがなかった。」と酷評している。

 こうした結論が出てくるのは、当然のことであろう。アラブは一つという夢想の時代は、終わりをとうの昔に告げたはずだ。したがって、アラブ各国は自国の利益を、最優先しているのだ。パレスチナの解放のために、戦争も辞さないと考えたのは、エジプトの故サダト大統領が最後であろう。

 そもそも、パレスチナ人たちは他力本願では、何も出てこないことを、十分知っているわけだから、自分たちの知恵と勇気と犠牲で、パレスチナの独立達成を、考えなければならないのではないか。

 アラブ世界と、西側世界でパレスチナの権利パレスチナの悲劇を、どんなに訴えても、もはやそれに敏感に応える状況にはない。パレスチナの自治政府幹部が巨万の富を有していることや、パレスチナ自治政府内部に汚職が蔓延していることは、世界中の国々が知っている。

 今回のアラブ首脳会議でも、5億ドルの援助が決められたようだが、それは確実に、パレスチナ自治政府幹部の懐に入るのであって、パレスチナ庶民の生活を助けるものにはならない。

 アラブ諸国がパレスチナ支援に資金を出すのは、パレスチナ人大衆を助けることが目的ではなく、パレスチナ自治政府が自国民の反政府活動を、助長することを防ぎたいからであろう。

アラブ世界ではエルサレム問題があることから、パレスチナ問題は大衆が正面切って、政府を批判する好材料になっているからだ。かつて1970年代に、湾岸諸国はこぞってPLO (パレスチナ解放機構)に援助を送ったが、あの時も自国でテロ活動をされることを、避けるためでしかなかったのだ。

パレスチナ各組織が自分たちの犠牲を考えずに、パレスチナの解放をアラブや世界の責務と叫んでも、もう耳を貸す人たちはいないのではないか。今こそパレスチナ人は、自分たちの犠牲と努力を真剣に考え、解放の実現を目指すべきであろう。

パレスチナ人たちが雄弁にパレスチナの悲劇を語り、建国の権利を主張しても、それは何も生み出しはすまい。他をではなく自己批判すべき時であろう。