2月9日から16日まで、エジプトとトルコを訪問してきたが、そのなかで意外な情報があったので、お知らせする。
トルコとイスラエルとの関係が、昨年1月以来、悪化の一途をたどっている、という見方が大勢を占めているが、トルコで会った友人は、意外な判断を語ってくれた。
彼によると、トルコとイスラエルとの関係は、悪化していないというのだ。彼によれば、イスラエル側はトルコのエルドアン首相が、イスラエル非難をした際に、微笑んでいたというのだ。
もちろん、異論があろうが、彼に言わせれば、バラク国防相がトルコに謝罪したとき、「イスラエルとトルコとの関係は非常に重要だ。」と強調し、トルコ側も同様の発言を、している点を取り上げていた。
つまり、トルコもイスラエルも、双方がお互いの関係を、重視していることに変わりはないというのだ。その上で、彼はでは何故トルコがこうまでも、イスラエルを批判するのかについて、次のように語ってくれた。
トルコがイスラエルを批判することで、アラブ・イスラム世界の過激派の発言が、弱まるというのだ。つまり、アラブ諸国の大衆やイスラム世界の大衆が、共通して抱いているイスラエルに対する怒りを、トルコが代弁することによって、ガス抜きが行われている、という判断だった。
もちろん、そうしたトルコの立場は結果的に、イスラエルにとっても、有利だというのだ。そして、トルコがイスラエル批判を繰り返すことによって、イスラム世界・中東世界のリーダー国になれば、結果的に、穏健なイスラム思想が世界中に広がり、イスラエルが直面する危険性は、低下するということだというのだ。
さて、この友人の話を何処まで信頼するかは、読者にお任せしよう。ただ、彼は彼なりに、幾つもの情報を持った上で、判断していることだ、ということを付け足しておこう。