日本では全く報道されていないが、イスラエルはいま、パレスチナのハマースが仕掛けた、ある種の神経戦でキリキリ舞させられている。
それは浮遊爆弾なる新型兵器によるものだ。構造については、詳しく報道されていないので、想像でしか言いようがないが、ある種の爆弾が、海に浮くような構造に出来ていて、それがガザの海岸から海に浮かべられると、やがてはアシュドッド、アシュケロン、テルアビブなどといった、イスラエルの海岸都市にたどり着き、突然爆発するというものだ。
もちろん、そうなれば海岸で遊んでいたイスラエル国民は、怪我をしたり、死亡する可能性がある、ということになろう。そのため、最近では、イスラエル政府による、浮遊爆弾処理のための、海岸清掃活動が行われている、ということだ。
ガザに拠点を置くハマースは、いままであらゆる手段を講じて、イスラエルに対する攻撃を、繰り返してきていた。ガザとエジプト国境には、秘密の地下トンネルを掘り、エジプト側から食料や医薬品だけではなく、武器や武器を製造する部品を密輸していた。
それらの部品を使い、ハマースはロケット弾を造り、イスラエルの領土内に発射し続けてきている。その性能はまだ高くないために、ロケット弾に詰め込まれる爆発物は、少ないのであろう。イスラエル側に大きな被害が出た、という報道はない、かろうじてイスラエル領土内に、ロケット(弾ではなく)が到達している、という程度のものだ。
しかし、ロケット攻撃される側の、イスラエル国民にしてみれば、毎日のように飛んでくる、ハマースのロケット弾は、精神的に大きなダメージと不安、そして、苦痛を与えているのではないか。
このロケット弾に加え、最近では浮遊爆弾が、使用され始めたということだ。浮遊爆弾はテルアビブまでも届く、ということになれば、もはや、イスラエル最大の都市テルアビブの、住民に安息の場はなくなるということだ。
イスラエルを訪問し、テルアビブの海岸沿いの、ホテルに宿泊していると、イスラエル国民の多くが、海岸を散歩し、日光浴を楽しみ、海水浴を楽しんでいる光景が見られる。
それがこの浮遊爆弾によって、不安に変わり、イスラエル国民の楽しみが、奪われるということだ。この浮遊爆弾、何処か大東亜戦争末期に、日本が使った風船爆弾に、共通するところがあるような、気がしてならないのだが。