イスラエルのユダヤ・エージェンシーが日曜日に発表したところによれば、西ヨーロッパ諸国のなかで、反セム(反ユダヤ)の動きが、拡大傾向にあるということだ。
イランのアハマド・ネジャド大統領や、ベネズエラのチャベス大統領などは、反セムを大声で叫んでいることから、世界的に知られているが、西ヨーロッパでは、イスラエル人が看過できないレベルにまで、反セムの動きが拡大しているということは、日本人には意外だろう。
ユダヤ・エージェンシーの発表によれば、フランスでは2008年に431件起こった反セムの行動が、2009年には631件に増加しているし、イギリスでも600件の反セムの行動が起こっているということだ。
それは主に、2008年12月から2009年の1月にかけて起こった、ガザ戦争をきっかけにしているようだ。ガザ戦争はイスラエルにとって、あれだけ徹底した形で、実行すべきものではなかったと思えるのだが、結果は、イスラエルを勝利に導いたかもしれないが、世界の多くの国々と人々を、敵に回すことになった。
他方、パレスチナのハマースは、彼らがガザ戦争で勝利したと語っている。それは、秘密トンネルを通じて、相変わらず武器がガザに搬入され、その武器でイスラエルに対する攻撃が、継続して行われているからだ。
ウクライナやハンガリーでは、反セムに関わる言動が、選挙に利用されもした。イスラエル人がウクライナの子供を、25000人も連れ去り、内臓を摘出したということが、広がったのだ。
また同じように、パレスチナ人の内臓も、移植目的で摘出された、と報じられている。ニューヨークでもユダヤ教のラビが内臓密売をしたとかで話題になっている。これら一連の噂、報道は、中世の時代にキリスト教徒の子供を、ユダヤ教が宗教儀式で犠牲にしたという話から、再燃してきたのであろうと、ユダヤ人たちは分析しているようだ。
こうした動きが拡大するなかでは、ユダヤ人に対する反発が拡大して行き、結果的に、イスラエル国家そのものも、認めないという風潮が、拡大する危険性が出てこよう。そのことをイスラエル人やユダヤ人は、真剣に懸念し始めているのであろう。それだけいま、イスラエル人やユダヤ人の間では、将来に対する不安が広まりつつある、ということではないか。その結果どのような行動をイスラエル人やユダヤ人が取ろうとするのか、ユダヤ人非ユダヤ人の双方に自制が必要であろう。