イランのプレス・テレビというネットは、興味深い情報を提供してくれる。西側情報とは全く違う角度からのものだけに、全体像を掴む上で、参考になるのだ。
昨日書いたイラク選挙の話で「旧バアス党員の立候補禁止はやり過ぎだ」としたが、今日になってこれを再考させる、情報が伝えられている。そのイラン発の情報を信じるか否かは、読者の判断に委ねよう。しかし、この情報の虚実は別にして読むと、実に興味深いものであることは確かだ。
その情報によれば、イラクの旧バアス党員たちが、クーデターを計画しているというのだ。そのクーデター計画に参画している幹部は、イラクの内外におり、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンが支援しているということだ。
この旧バアス党によるクーデター計画は、ナイザク(流星)というコード・ネームが付けられているということだ。その計画に則り、ヨルダンでは最近、バアス党員幹部の秘密会議が開かれたということだ。
このクーデターに関する情報ファイルは、38ページにも及ぶが、なかには部族のメンバーのリクルートや、バアス党員だった部族員の、洗い出し結果なども記されている。
ファイルには、スンニー派のターリク・ハーシミー現イラク副大統領の名前も、含まれているということだ。また、サダーム・フセイン体制打倒後に、首相に就任したイヤード・アラーウイ氏の名前も、記されているということだ。
これら旧バアス党幹部と、アラブ諸国とのコンタクトが、取られるようになったのは、現在のイラクの状況が、許容出来なくなったからだということだ。そして、その結果、サウジアラビアの治安幹部が資金を担当し、エジプトの情報幹部が、計画を立てているということだ。
ターリク・ハーシミー副大統領は、昨年サウジアラビアの治安トップと、ヨルダンで会合しているし、イヤード・アラーウイ氏は旧バアス党員や、アラブ諸国の高官と、会っているということだ。
こればかりか、シーア派のなかからも、この動きに参画する人物が、出てきているということだ。それは、アッバース・アルバッヤーテイ氏、それにカリーム・フーズイ氏だということだ。
最近起こっている、イラク政府要人暗殺事件は、イラク国内を不安定化することと、今度の選挙を失敗させることを狙った、工作だということだ。爆弾テロが数週間続いていること、それが数ヶ月前から始まっているのも、この作戦に基づいたものだということだ。加えて、旧バアス党幹部とアメリカ側とのコンタクトも、行われているとファイルは記している。さあこれをどう読むか?真偽のほどは定かではないが実に興味深い情報であることに間違いはない。