年の暮れに悲しい話だが、中東のサイトを見ていると、最近になって人身売買や臓器泥棒、臓器摘出を目的とした子供の買い上げ、といったニュースが多くなってきている。
臓器泥棒のケースは、イスラエル軍が銃殺したパレスチナ人の体内から、臓器を摘出した後に、遺族に返すというものだ。述べるまでもなく、臓器を摘出しているために、彼ら犠牲者の腹部は、大きく切り開かれ縫合されている。
その犠牲者の裸の写真が、中東のサイトには貼り付けられているが、あまりにもむごい話ではないか。場合によっては、パレスチナ人の犠牲者のなかには、テロリストでも何でもない、普通の人たちも含まれているということだ。
これらの事実は、イスラエル政府が認めているし、それを告発して騒ぎ始めた組織のなかには、イスラエル人の組織もある。もちろん、銃殺され臓器を摘出された犠牲者たちの遺族に、臓器摘出の許可を得ているわけではない。
パレスチナ人の犠牲者の話題以外にも、ウクライナから何万人という、おびただしい数の子供たちが、養子にという名目で買われ、イスラエルに連れてこられ、臓器を摘出されている、ということも告発されている。
イスラエルやユダヤ人による、こうした話題は最初に大きく報じられたのは、アメリカでであった。ユダヤ教のラビ(宗教者)が臓器の売買にかかわっている、というものだった。
もうひとつの悲しい話題は、ロシアを中心として、旧ソ連圏から多数の若い女性たちがさらわれ、イスラエルや湾岸の国に売られているという話だ。
人さらいにさらわれるのは、18歳ぐらいから25歳ぐらいまでの、若い女性たちで、彼女らは場合によっては、いい就職口を世話する、とだまされて売り飛ばされているということだ。
イスラエルの場合は、ほとんどの女性たちが売春目的の、ナイトクラブで働かされたり、ウエイトレス(売春を強要される)にされているということだ。ヨルダンにはその種の無許可の売春クラブが、1000軒以上もある、と報告されている。
湾岸のアラブ首長国連邦に売られた女性たちは、奴隷として働かされているということだが、一体、彼女たちの仕事は何なのか、ということは考えるだけ無駄であろう。
ロシア東欧圏から、こうも多くの女性たちが非合法に連れ出され、売られるということが活発になったのは、ソ連が崩壊し、経済が悪化してからのことだといわれている。彼女たちは実は一夜を過ごす部屋や、パンが無いために、そうなった人たちもいるということだ。これ現在起こっている事実の話であって、空想の世界の話ではないのだ。