イスラエル人の不安増大

2009年11月29日

 11月にイスラエルを訪問した。日本の夏のような気候で、その前の滞在先の冬の始まりを思わせるイスタンブールとは、まるで違っていた。海岸で遊ぶ人たちの姿が、ホテルの窓から見え、のどかな光景といった感じがしたのだが、、。

イスラエルでは二人の友人に会い話し合った。内容はイスラエルとトルコとの関係、イランの核問題だった。

 イスラエル・トルコ関係については元在トルコ・イスラエル大使であった人物と話したが、彼は極めて悲観的な見通しを口にした。

 彼はトルコ軍が現在の与党である、AKPのイスラム化に、何の行動も起こさないことに不満を述べていた。

 それに対し、トルコがイスラエルに対して厳しい立場をとっているのはあくまでも仲介者としての立場を守るためなのではないかと私見を述べてみたがあまり賛成してはくれなかったようだ。

 イラン問題について話し合った人物は国際弁護士だ。彼は労働党支持者だったが、現在ではネタニヤフ首相の政策を、支持すると語っていた。イランの核兵器開発について、彼はそれが事実であるとして、何の疑いも抱いていなかった。

 彼は欧米のイランの核開発に対する対応が、緩すぎると不満を述べていた。もし、この状態が続けば、イスラエルは単独で武力を行使してでも、イランの核開発を阻止しなければならないだろうと述べ、ネタニヤフ首相がその決断をするのであれば、全面的に支持すると語っていた。

 イスラエル人二人の意見を聞いて、全てのイスラエル人について語ることは出来ないが、イスラエル国民の間には、相当孤立感が強まっており、焦りが感じられた。結果的に、イスラエルが暴走することの危険さを、感じざるを得なかった。

 イスラエル国内は経済悪化が、目立っているようだった。ダイヤモンド・センターにもほとんど旅行者、業者の姿は無く、訪問した私はいい鴨で、高額なショッピングをさせられる羽目になった。

 イスラエルへの入国出国は、イスタンブールでの搭乗手続き時、ベングリオン空港からの出国時共に、極めて緩いものになっており、以前のような30分から1時間かけての尋問チェックは行われていない。