アゼルバイジャンの首都バクーを訪問したのは、今回で二度目だったが、前回の訪問は、もう15年ほど前のことであり、街の様相は一変していた。
1920年代に、石油が大量に産出され始めた頃から建設されたビル群、ソ連の一部であった頃に建設されていたビルも、15年前は老朽化がひどく廃屋という感であったが、今回訪問してみると、補修工事がきれいに行われ、かつての石油繁栄時代が、蘇ったようだった。
街の通りには、ヨーロッパの有名ブランド・ショップが並び、最新のファッションが展示されていた。ヨーロッパの最新のファッションと並んで、アンテークの店も目立って多かった。そこでは、アンテークの時計や貴金属、アクセサリー、食器類が売られていた。
価格は安くなく、ある種のバブルが感じられるほどだった。たとえば、ホテル内の喫茶店では、コーラが4ドル程度していた。ドルとアゼル通貨マナとの交換率は1$=0・78MANATだった。
政治的には、イルハム・アリエフ大統領の強権政治であろうか。安定しているようだ。公務員の給与は200-300ドルと高くない。一般消費物資の価格は安いものと思われる。政府高官は相当な賄賂と収入があるのか、4-10億円相当の、高台の一戸建てに、住んでいるということだ。
車両はいまだにソ連時代のラダが走っているが、BMW,ベンツ、トヨタも少なくなかった。
アゼルバイジャンは石油、ガスの価格高騰を受け、経済的には豊かであり、各地で建設が進んでいた。この状況から判断する限り、大きな政治的変化が、アゼルバイジャンの中で起こることは、これから先数年間は、無いのではないかと思われる。