アラブ首長国連邦の人口がついに190万人増加したというニュースが流された(2007年の数字では449万員であることから、現在は訳640万人ということか)。それは国力の間違いない証明であり、人口の少ない国にとっては、極めて喜ばしいニュースであろう。
現実に、クウエイトやバハレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンといった湾岸の国々の、自国民人口はほとんどが、つい最近まで、数十万人規模でしかなかった。そのことは、周辺の人口大国を前にしたとき、どうしても弱い立場に、立たされるということだ。
したがって、人口小国は外国人の受け入れに対し、極めて寛容な政策を採っている。しかし、そのことは外国人の自国内居住を、放置するようなことをしているわけではない。
保証人(スポンサー)や雇い主がいなければヴィザは発給されないし、入国後は、イミグレーション・オフィスに定期的に、登録に行かなければならないのが普通だ。加えて、多くの場合、雇い主がパスポートを取り上げて、勝手に出国できなくしている。
そうでなければ、雇われ人が罪を犯した場合、雇い主に責任が降りかかってくるからだ。窃盗、殺人、傷害、姦淫、犯罪の種類はいくらでも挙げられよう。雇い主がパスポートを預かるということは、湾岸諸国ではきわめて当然のこととして、厳密に行われているのだ。
さて、人口が190万人増加した、アラブ首長国連邦の人口のうち、何パーセントが自国人で、占められているのであろうか。驚くことに、自国民人口は16・5パーセント(100万人超)にしか過ぎないのだ。
外国人の居住者のほとんどは、西アジアからの人たちで、インド人が175万人、パキスタン人が125万人、バングラデッシュが50万人、それ以外のアジアからは約100万人が入国しているということだ。アフガニスタン、中国、韓国、フィリピン、タイといった国々からだ。
それ以外には北アフリカ、ラテン・アメリカ、西ヨーロッパからであり、この合計が訳50万人ということだ。
つまり、インド人やパキスタン人の人口が、アラブ首長国連邦国民人口よりも、多いということであり、極めて不自然な人口構成になっている。もし、国内のインド人が蜂起すれば、あっという間に、アラブ首長国連邦人を制圧する危険性がある、ということではないか。
もちろん、その様なことが起こらないように、国内の情報機関は極めて効率的に、活動しているだろうし、国内での武器の入手についても、厳しく取り締まられていよう。日本はこれらの湾岸諸国から、外国人受け入れの場合の対策と、現実に起こっている問題を、学ぶ必要があるのではないか。