カダフィ大佐も人の親か、息子がかわいい

2009年10月 9日

リビアではカダフィ大佐が高齢(? 69歳)に達したことから、誰が彼の後継者になるのかということが噂に上って久しい。

 そうしたなかで、最初に話題に上ったのは、次男のサイフ・ル・イスラーム氏だった、彼は穏健でいわゆる常識派の人物であり、内外で評判がよかった。

 サイフ・ル・イスラーム氏は欧州で学び、かつロシアとの合弁企業の責任者として、オーストリアにも長い間滞在していた。

 これまで、サイフ・ル・イスラーム氏はリビアの外国でのイメージを・改善するために・いろいろな役割を果たしてきていた。彼は芸術的なセンスもあり、ビアの遺跡の紹介とあわせ、絵画展を日本でも開催している。彼の絵はそれなりに見られるものだったと記憶している。

ムウタシム氏というもう一人の息子が、最近ではカダフィ大佐の後継者ではないか、と言われてきた、長身でハンサム、どちらかというとカダフィ大佐の若い頃に、サイフ・ル・イスラーム氏よりも似ている風貌だ。

 彼は治安軍を指揮しており、これまで大分無茶なことをしてきてもいる。そのため、カダフィ大佐はサイフ・ル・イスラーム氏のほうを、評価してきていたようだ。

時折、カダフィ大佐とサイフ・ル・イスラーム氏との間では、意見の対立があり、親子喧嘩をしたという噂も流れていた。そのことが、ムウタシム氏の後継の可能性の噂を、作り出していたのであろう。

今回、リビアの南部都市セブハで開催された全国人民会議の席で、カダフィ大佐はサイフ・ル・イスラーム氏に、しかるべきポジションを与えるように、会議参加者に持ち掛けたということだ。

会議に先立ち、カダフィ大佐はマスコミをシャット・アウトしていたが、ネットで情報が流れた。その情報によると、カダフィ大佐はサイフ・ル・イスラーム氏を「明日のリビア」の、責任者にしたいということのようだ。

この組織は、リビアの経済開発やイスラミストとの関係改善など、極めて困難で重要な役割を担っている。そのトップにサイフ・ル・イスラーム氏を据えたいということは、カダフィ大佐がサイフ・ル・イスラーム氏を、やはり一番評価しており、後継者にしたいということの、意思表示ではないかと思われる。

サイフ・ル・イスラーム氏は欧米各国で、既に顔が知られており、彼の外交的な活躍も、高く評価されている。彼が後継者になれば、リビアも国際社会のなかで、十分しかるべき評価を得られるのかもしれない。そうあってほしいものだ。