エジプトのナジーフ首相が、今年中には2011年のエジプト大統領候補を、与党は推薦しないことを発表した。
エジプトでは2011年に、大統領選挙が行われる予定だが、現在81歳のムバーラク大統領は、1981年以来28年の長きに渡って大統領の職にあるが、どう頑張ってももう限界なのであろう。
そうなれば、当然出てくるはずなのが、以前から後継者と噂されていた、ガマール氏(44歳)の擁立だが、ナジーフ首相はそれを、敢えて否定した。つまりガマール氏ではいまだに力量が不足しているということであろう。
エジプトンも全国の与党議員の間でもガマール氏をムバーラク大統領の後継者として押す人はごく一部であり、一説には4000人を対象にした調査では、ガマール氏を推す人たちは、360人しかいないという話のようだ。
これまで与党は、ムバーラク大統領の意向で、ガマール氏を与党の要職に付け、アメリカとの関係も強めるように、何度と無く訪問させ、それなりの役割も果たさせたのだが、どうも実が結んでいないようだ
そうなると、野党側はますますガマール氏への禅譲に、反対の意向を強めよう。その結果、与党内でも同じように、ガマール氏ではだめだ、という意見が高まるのではないか。
もし、結果的にムバーラク大統領の後継者に、ガマール氏が就任できなかった場合、彼は天国から地獄に、落とされるかもしれない。逮捕、取調べといった事態も起こりえよう。
権力の座に長い間就いているということは、自分ばかりではなく、家族もまた勘違いさせることになる。結果は、汚職、職権乱用であり、それは犯罪行為ということになろう。権力の座から遠ざかったとき、ツケは利子を付けて払わされるのが常だ。