イエメンで悲しい出来事が起こった。それは12歳の幼な妻が出産に際し死亡し、赤ちゃんも死亡するという出来事だった。
幼な妻の名はファウジーヤ・アブドッラー・ユーセフ、イエメンの西部で生まれた娘だった。
彼女の父親が腎臓病を患っていたために、ファウジーヤは11歳で結婚させられまもなく妊娠し、今回の不幸な出来事が起こったということだ。
出産時、病院の医師はなんとか、彼女の命を救おうと努力するのだが、複雑な出産であったために、救うことができなかったということだ。
このファウジーヤのケースは珍しくなく、イエメンでは多くの少女たちが、幼くして結婚させられているということだ。
結婚を急ぐ理由には、幾つかのことが考えられるが、一つは花嫁の純潔であろう。そして花嫁の家族の、経済的事情が挙げられよう。
イスラム教徒の花婿の家族は、結婚するにあたって、花嫁の家族に対し、一定のマハル(結納金のようなもの)を支払うことになっている。その金が目当てで、幼くして結婚させられる少女たちが、後を絶たないということであろう。
問題は、もし政府が少女の結婚を、禁止する法律を定めたとしても、それが守られるという保証はない。結婚の約束が成立して、少女が大人になるまで、相手の男性の元で、暮らすということもあるからだ。
今回は、幼な妻が死亡し、赤ちゃんも死亡したということで、これだけのニュースになったのであろうが、今までにも、多くの似通ったケースが、あったものと思われる。
悲しいニュースではあるが、このことが報じられたということは、問題が一歩前進しつつある、ということかもしれない。
イスラム世界の名誉の殺人や、幼な妻の問題は、今後も当分の間は、悲劇を生み続けていくものと思われる。