急に騒ぎ始めたイランの核兵器製造の脅威

2009年9月10日

最近のネッ情報を見ていると、イランが非常に近い将来に、核兵器を持つという予想が、増え始めている。

イランの核兵器所持に対する不安は、IAEAのエルバラダイ代表の発言にも、アメリカ政府の発表にも現れ、それを、アラブのマスコミやヨーロッパも、追随している形になっている。

 イランがここ数カ月で、核兵器を持つに至るということは、常識的にありえない。あるいは、3-4年後でも、まだイランは核兵器を生産する技術を、持ち得ていないかもしれない。それにもかかわらず、こうした情報が、今の段階で飛び交っているのは、それなりの理由があろう。

 今、イランの核兵器に関する危険信号が、点滅しているのは、9月過ぎに討議される、イランに対する新たな制裁を、どのレベルにするかということが、前提のアドバルーンではないのか。

 イランの選挙で、強硬派のアハマド・ネジャド大統領が再選され、以後、イランの国内状況は不安定化した。そのことが原因で、アハマド・ネジャド大統領はますます、強硬な発言をするようになっている。そのことからくる、不安感はイスラエルの場合、他の国々に比べ、より敏感に感じているだろう。

 アメリカはいま、自国内の問題が最優先であり、とてもイランまでは、手を出しにくいだろう。もちろん、たとえそれが必要だとしても、オバマ大統領は自分の意思で、イランに対する軍事攻撃はかけにくいだろう。

 アメリカの弱みを、イランは百も承知で、アメリカの出方をせせら笑って、見ているのだろう。

 これに対し、アメリカはイランに対する、新たな経済制裁で圧力をかけ、実際にイランが苦しいことを、実感できるような厳しいものにしたいと考え、イランの核兵器がもうすぐ出来上がるから、出来るだけ厳しい制裁を決めるべきだ、と主張しているのであろう。

 イランに対する制裁で、最も効果があり、イラン国民が実感をもって受け止めるのは、ガソリンの同国への流入を、断つことであろう。それは、これまでは比較的容易なことであったはずだ。

 しかし、イランがベネズエラからの、石油製品輸入に合意したことにより、制裁措置が取られたとしても、その効果はだいぶ低下するのではないか。イラ政府は海上での、輸送妨害があると考えたのであろうか。先日、イランの海軍司令官は、敵の海路を断つ準備が、出来ていると語っていた。

 これまでアメリカが、何故イランのガソリン輸入を、規制しなかったのかという疑問が、事情通の間で、何度も浮かんでいた。アメリカは本気で、イランを追い込みたくはないのだろうか。