カーター元大統領パレスチナはイスラエルとの統一国家希望

2009年9月 7日

 中東和平に人生の最後をかけて、活動し続けている、アメリカのカーター元大統領が、パレスチナの要人たち複数が、イスラエルとの統一国家設立を希望していることを、彼に告げたと語った。

 しかし、これはイスラエル側が受け入れるとは、到底思えない。なぜならば、パレスチナ側がイスラエルとの間で、統一国家の設立を希望する理由は、パレスチナ人の方がやがては、人口的に多数派になる、ということを目論でのものだからだ。

 しかも、パレスチナ側はその後の、世界からの寄付を当てにしてのことであり、国家運営をイスラエルにおんぶに抱っこで、行くつもりなのであろう。イスラエル人はそれを受け入れるほど、愚かではない。

 パレスチナの要人が誰なのかは、明らかにされていないが、パレスチナ側はカーター元大統領が、老いの身に鞭打って、中東和平の実現に努力していることを見て、リップ・サービスのつもりで、語ったものであろう。

 カーター元大統領は民主的で平等な、イスラエル人とパレスチナ人の共生を語り、ネルソン・マンデラやマハトマ・ガンジー、マーチン・ルーサ・キング氏らのように、非暴力による中東問題の解決を、図りたいと語った、と伝えられている。

 たとえ、パレスチナの要人の一部が、真剣にこの提案をしたとしても、先述の通り、イスラエル側は受け入れまいし、パレスチナ内部でも、具体性を帯びた、実際の話になれば、激しい反対が起ころう。このような夢物語は、対立を激化させることはあっても、問題の解決には役立つまい。