失礼を省みずに言わせてもらうなら、現在、エジプトのムバーラク大統領は死に体なのではないか。あるいは、だいぶ病状が悪化しているのではないか、と思われる。
そうなると、急がれるのは次期大統領候補の選定だ。エジプト国民の間で、最近、オマル・スレイマーン情報長官の人気が、高まっている。エジプト国民の多くが、彼の大統領就任を、希望しているということのようだ。
そうなると、あせりを隠せなくなるのは、ムバーラク大統領であり、彼の次男ガマール氏であろう。もちろん、彼らの取り巻きにとっても、同様にオマル・スレイマーン氏の人気の高まりは、大問題であろう。
大統領にガマール氏が就任しない場合、多くの政府高官、経済人が逮捕、投獄される危険性があるからだ。従って、何としてもガマール氏を担ぎ出し、大統領に就任してほしい、ということであろう。
そこで、最近エジプトの与党である国民民主党内部で、次期大統領候補に関する、話し合いがもたれたということだ。もちろん、その候補にはガマール氏の名が、挙げられたということだ。
さて、オマル・スレイマーン情報長官がガマール氏を抜いて、エジプト国民の人気があるからといって、大統領後継者になれるかというと、そう簡単ではない。以前、外務大臣のポストにあり、次期大統領にとエジプト国民が望んでいたアムル・ムーサ氏は、結局、ムバーラク大統領の意向で(?)アラブ連盟事務総長という、極めて名誉な地位に就任(エジプト政府内から追放)させられ、大統領に就任する道は、完全に断たれてしまっている。
オマル・スレイマーン情報長官も、同様に、他のポストを与えられ、大統領後継者レースから、外される可能性は、否定できないということだ。そうなると、本当の次期大統領候補は、ムバーラク大統領の次男のガマール氏と、誰かということになろう。その人物については、あえて書かないことにしよう。
「紅海沿岸エジプトのリゾート」