6月28日の朝、エジプトでムスリム同胞団の、幹部4人が逮捕された。逮捕されたのは、アブドルモナイム・アブ・ファトーフ副代表を筆頭に、ムスリム同胞団の医師会のメンバーである、ファタヒ・ラーシーン医師、ガマール、・アブドッサラーム医師などだ。
ムスリム同胞団は今回の逮捕劇を、同胞団つぶしの行動だ、と非難している。ムスリム同胞団はエジプトの国会に、88人のメンバーを送り込んでおり、最も大きな野党議員団を構成している。
今までに、146人が逮捕されているが、逮捕は今後も続くだろう、とムスリム同胞団は予測している。
これまで何度か報告したが、エジプト国内ではムバーラク大統領の健康不安が拡大し、彼の次男ガマール氏に、大統領職が禅譲されるだろう、という予測が広がっている。
エジプト国会の改選選挙は、来年行われる予定だが、その前に実行される可能性が、高くなってきている。一連の逮捕劇は、その地ならし的なものだ、というのが一般的な認識だ。
エジプト政府与党が、ムスリム同胞団に対しこれほどまでに、警戒心を強めるのは、2005年に実施された選挙で、88人の当選者を、ムスリム同胞団が出したからだ。
この数字は、第一回の選挙の当選者数であり、第二回目の選挙では投票者が、完全に締め出されたために、ムスリム同胞団の立候補者からは、一人も当選できなかった。
それだけ、政府はムスリム同胞団の台頭を、恐れているということであろう。これだけムスリム同胞団に票が向かうのは、同組織に対する支持もさることながら、与党に対する国民の、NOの意思表示でもある、ということのようだ。