イスラエル・モサドのイラン予測2点

2009年6月17日

 イスラエルのエルサレムポスト、イランのプレスTV などが興味深い情報を報じている。
 これらの情報ソースによれば、イスラエルの外交・防衛委員会の席で、モサドのメイル・ダガン長官が、イランに関する重要な
2点について、意見を述べている。

 第一点は、現在のイラン国内状況についてだが、反政府派の抗議行動は、そう長くは続かないと予測している。モサドの情報では、イラン国内で反政府デモは、首都テヘランともう一か所で起こっているが、長期的で全国的な規模にまでは、発展しないだろうという判断だ。

 第二点は、イランの核兵器開発だが、この点については、2014年までに使用可能なレベルに、至るだろうと予測している。もし、今回の選挙でアハマド・ネジャド氏ではなく、穏健派と言われるミール・ムサヴィ氏が、もし、万が一にも、今後の変化で大統領に当選するようなことがあったとしても、核兵器開発はやめないだろうということだ。

 なぜならば、そもそもイランの核開発は、ムサビ氏が首相の時代に、始めたものだからだ。問題はアメリカが北朝鮮の核兵器開発を放置した場合、イランも核兵器の開発を続けても、アメリカが罰することはないと判断することだ。

 メイル・ダガン長官は、現在のイランが1960年代から1970年代の、エジプトに似通っているとし、多数の国々と核開発の協力体制が、出来ていることを指摘している。

 他方、最近イスラエルで行われた世論調査では、イランによるイスラエルに対する攻撃の可能性は、非常に低いと見なしているということだ。この世論調査は、INSS(国家安全研究所)によって、実施されたものだ。

 少なくとも、イランが現在進めている核開発は、イスラエルを破壊することが目的ではないと、見なしているということであろう。

 イスラエルのモサドが、現在の段階で出しているように、イランの反政府デモが拡大し、長期化していかないことを望みたい。そうでなければ、膨大な数の死傷者が出ることになるからだ。