イラク軍のスポークスマンは、今後2年間で、イラク軍が40機のヘリコプターを、アメリカとヨーロッパから輸入することを発表した。
これは、アメリカ軍が2011年までに、イラクから撤退することを受けての、決定であると思われる。輸入されるヘリコプターは、多目的用と戦闘用になろうが、イラク国内動乱に備えた装備と思われる。
最近になり、イラク国内では大型のテロが続いており、多数に死傷者が出ているが、これはアメリカ軍撤退後に備えた、各派の陣取り合戦的なものであろうか。クルド、シーア、スンニー各派がイラク国内で、優位に立とうとする、動きではないかと思われる。
最近頻発しているテロは、イラク各派の動きのほかには、イランの関与、イスラエルの破壊工作といったことも考えられるが、それらは皆、アメリカ軍の撤退後に向けた、動きなのではないか。
アメリカ政府はイラクの国内治安状況が、大幅に改善されてきていることを、撤退の根拠としているが、現実はそうではない。イラク国内状況は、一瞬にして悪化する状態にあるのだ。
アメリカ軍も、2011年までの完全撤退といっているが、イラク軍やイラク警察に対する指導訓練を名目に、5万人程度の軍人が、残留し続けるといわれている。そうしなければ、アメリカは何のためにイラクに派兵したのか、あいまいになってしまおう。
最近気がかりなのは、アメリカのイラク侵攻は、石油が目的ではなかった、なぜならば、アメリカの石油会社はそれを望んでいたと思われる、ロビー活動の足跡が見当たらないからだ、という説が目立ってきている。
しかし、アメリカがイラクに派兵した主な理由のひとつには、イラクの石油確保があった、と思えてならない。アメリカが否定すればするほど、イラク侵攻は石油目的であったのではないか、と思えてならないのだが。
それはイラク各派も同じで、今後の内乱の可能性は、極めて高いということだ。イラクの石油を支配するために、イラク中央政府がヘリを、大量に輸入するということではないのか。