4月6日に計画されていた、エジプトのゼネ・ストは、結果的に失敗だった、ということのようだ。
昨年の場合も、エジプト北部の繊維工業の街、マハッラ市は2日日間にわたって、デモ隊と警察の衝突が続き3人の死者を出したが、そのほかの地域では完全に抑え込まれ、失敗という評価がなされた。
今年の4月6日、ゼネ・ストも事前に呼びかけられ、大々的な全国規模のものになることが、期待されていたが、どうやらそうではなかったようだ。逮捕者の数も数十人程度であり、学生が大学キャンパス内で集まったのも、100人規模だったようだ。
それ以外には、ジャーナリスト協会の本部前にも集まったが、それも一般大衆を引き付ける、レベルには至らなかった。あえて言えば、454人の国会議員のうち、ストに呼応して動いたものが、100人に達したということであろうか。
ゼネ・ストが失敗に終わった理由は、ゼネ・スト呼びかけがオープンに行われたために、政府側が万全の態勢を敷いて、このストつぶしに動いたということであろう。エジプトの各都市や幹線道路は、治安警察によって固められ、思うように動けなかった。一般住民も怪我などを恐れ、外出しなかったこともあろう。
いずれにしろゼネ・ストは今回も、失敗したということであろう。しかし、すでに何度も書いたように、アメリカ政府はムバーラク体制が、あまりにも長期に及んだことと、ムバーラク大統領の体力的限界に、見切りをつけているということだ。
レバノンのヘズブラや、パレスチナ・ガザ地区のハマースが、ヨーロッパ各国の間で関係を持たれ始めているように、アメリカがエジプトの国内状況を判断して、反ムバーラク側をサポートする、時期が来ないという保証はない。
親米派の体制がアメリカによって確実に保護され、守られるという幻想の時代は、いま終わりつつあるのではないか。