イランは国名をイラン・イスラム共和国と、命名しているだけに、イスラム法の徹底ぶりは、他のイスラム諸国と比べても、格段に徹底している。したがって、国民のすべてが、イスラム法によって、統治されることを甘受し、イスラム教徒としての道を歩むことを、喜びとしている。
そう思う人たちもいるかもしれないが、イラン国民もいたって当り前の人たちであり、非イスラム諸国と変わらない生き方を、したがっている人たちが、少なくないようだ。
イランの北部にあるギラン県の、中心都市ラシュト市で、イスラム教の国にふさわしくない、大事件が起こった。その事件は規模が大きかっただけに、大騒ぎとなったようだ。
ラシュト市の住民が密造酒を造り、大酒盛りをやった結果、10人が死亡したというのだ。それ以外にも、2人が病院に担ぎ込まれ、生死の境をさまよっている、と伝えられている。
イランでまさか、と思う人が多いだろうが、イランは同国西部の国、たとえばトルコなどから、密輸で大量のアルコールが持ち込まれ、密かに販売されているのだ。そのような経路を通じて、イラン国内に密輸されたアルコールは高価であり、大衆の手には渡りにくい。そうなると密造酒が造られるのは、当然の帰結ということになろう。
イランではこうした、密造酒の飲酒による事故が、よく起こっているようで、小さな記事で紹介されることが、少なくないということだ。
密造酒を造った者も、それを飲んだ者も、ばれればむち打ち刑、あるいは刑務所が待っているのだ。それでも止められないのが、酒という悪魔の水なのだろうか。
それにつけても、日本に生まれてよかったと思う、日本人は少なすぎるのではないか。あらゆる意味で、日本ほど自由な国は、世界にはないのが現実なのだが。