アメリカの元大統領カーター氏が所有する、カーター・ライブラリーから、パレスチナのガザに関する、新たな見解が出された。
これは、1979年のエジプト・イスラエル合意に逆戻るものだが、当時、ガザ地区については、エジプトが管轄する方がいい、という考えがあった。
ガザ地区は、エジプトが1967年の第三次中東戦争、つまりイスラエルとの戦争に敗れるまでは、エジプトがイスラエルが建国された1948年以来、管理していた地区だ。しかし、エジプトが戦争に敗北したために、以来、ガザ地区はイスラエルの管轄下(占領下)に置かれている。
当時、ガザ地区をエジプト側に、管理させるべきだとする意見に対し、イスラエルのベギン首相が、ガザ地区を自国領土と認識し、受け付けなかったということだ。
しかし、最近のイスラエル政府のガザ地区に対する対応は、明らかにガザ地区を、イスラエルの固有の領土とする考えとは、異なるものであろう。
アラファト議長存命の時に、成立したオスロ合意は、ガザ地区にパレスチナの自治政府を置くというものであったし、シャロン元首相がガザ地区を、パレスチナ側に返還したことも、ベギン首相の時代とは、全く異なる対応であることが分かろう。
今回のガザ戦争を機に、イスラエル内部にも、より一層明確な形での、ガザ地区切り離しの考えが、出てきているのではないか。そのことを踏まえ、今回の話が出てきたものだと思われる。これはネタニヤフ政権成立後の、イスラエルとパtレスチナとの間の、最大の懸案になるかもしれない。