ムサビ大統領選挙に向けたスピーチ

2009年3月16日

 イランのホメイニ革命後に、元首相を務めたミール・フセイン・ムサビ氏が、現状批判の演説を、テヘラン南部のナジ・アバド・モスクで、土曜日に1000人の聴衆を前に行った。

 彼は宗教勢力の前にエリート層が委縮してその持てる能力を発揮していないことを指摘した。また、そうした傾向はイスラム教に対する解釈を曲げて、実施されている結果だとも語っている。

 ムサビ氏によれば、イスラム教は企業家精神を抑え込んだり、雇用の機会を制限するものではないと語り、そうしたことは富の公平な分配や、社会の権力の公平を阻害するものだとも語っている。

 一方に何万ドルという、高価な車に乗っている者がおり、他方に貧民がいることは、社会に嫉妬を生み出すものでもある、と指摘している。同時に、ミール・フセイン・ムサビ氏はアハマド・ネジャド大統領の進めた、経済政策も批判している。

 彼は他方で、1979年のホメイニ革命以来、イランが実行してきた成果を、称賛してもいる。たとえば、自国産のサフィール・ロケットで、自国産の人工衛星を上げることに成功したこと、核技術の向上などだ。

 こうした一連のミール・フセイン・ムサビ氏の発言は、6月に実施される大統領選挙に向けたものであることは間違いない。彼がもし当選すれば、だいぶ今までとは異なる、政策が実行されるのではないか、という期待を抱かせてくれる。