イラク政府の国民対話担当大臣アクラム・アルハキーム氏は、内外のバアス党員に対して、イラク再建に参加するよう、呼びかけた。
イラクのバアス党は、1968年のハサン・アルバクル将軍の無血革命以来、2003年までイラクを統治してきた政党だった。
バアス党の政権が長期的に続いた結果、サダム体制が打倒される2003年の段階までには、政治家、経済人、国家公務員、教員、ジャーナリストなど、全国民のおよそ10パーセントが、バアス党に加入していたと言われていた。
このため、2004年の段階では、イラク新政府はバアス党員の、イラク国内でのあらゆる活動を非合法化したが、2008年にはバアス党員の国家活動への参画を、認める新法を出し、バアス党員の社会復帰を促した。
イラク政府は、アメリカ軍がイラクから撤退を始めるにあたって、できるだけ国内の対立を緩和し、何とか復興の流れを継続したい、ということからの配慮であろう。
同時に、バアス党員の中には、多くのインテリ階級が含まれており、彼らの多くは国家運営を、実際に経験してきていることから、なんとかそのノウハウを生かしたい、という意向もあるのであろう。極めて妥当な判断と思われる。