トルコから聞こえてきた景気のいい話

2009年3月13日

 トルコの石油公社(TPAO)の、メフメト・ウイサル総裁が、イランのプレステレビの特派員メフデイ・ゴルザデイ氏に語ったところによれば、トルコは2023年までには、完全に石油ガスを自給する、体制に入るということだ。

 トルコが黒海で、石油・ガスの開発を進め、2002年の段階から生産を始めてきていたことは、以前から知られている事実だった。

 しかし、ここにきてその黒海の石油・ガスの埋蔵量が、石油は100億バレル、ガスは1兆5千億立方メートルと莫大な量であることが、同総裁によって明かされた。

 トルコはこれだけの埋蔵量で、2023年から40年間にわたって、国内消費分を賄うことができるようになる。したがって、エネルギー資源を外国から輸入する必要が、なくなるということだ。

 黒海沿岸の海底油田やガス油田以外に、イランとの国境に近い、トルコ北東部、イラクとの国境に近いトルコ南東部でも、石油やガスの埋蔵が確認され始めている。したがって、この夢のような話は、まんざら嘘でもなさそうだ、ということになる。

 そもそも、トルコは第一次世界大戦後、欧州諸国との間で、地下資源の開発をしないという、ローザンヌ条約(1923年)の中に記載されない、秘密条項を交わしていたため、地下資源の開発が、進んでいなかったということだ。

しかし、その協定期間も過ぎ、現在では自由に探鉱できる状況にある、ということだ。(条約の期限はたしか80年間だったと思われる)実際にトルコが発表したように、トルコが自身でエネルギー資源を、自給できるようになれば、この地域の政治バランスは、大幅に変わるものと思われる。