ガザ戦争を生き延びたハマース勢力は、その後、マハムード・アッバース議長がコントロールする、西岸地区でも支持を拡大しているという、世論調査結果が月曜日に発表されている。
それを受けたからではないだろうが、ハマースは今度、ファタハとハマースとの間に合意された、統一政府の結成をめぐって、強気の発言を行っている。ハマースの幹部であるムシール・アルマスリー氏は、新たに結成される内閣では、首相職はハマースから選出されるべきだ、と強調している。
彼によれば、2006年に行われた民主的な選挙で、雪崩現象のような勝利を収めた、ハマースが中心になって、内閣は構成されるべきだということだ。彼は、ハマースを中心にして内閣が構成され、過半数の閣僚ポストは、ハマース側に与えられるべきだとも語っている。
ハマース側は2006年の、ファタハのガザ地区における戦闘敗北後に、マハムード・アッバース議長によって指名された、サラーム・ファッヤード首相は受け入れられないとしている。彼はパレスチナ人に対して行った犯罪行為についても、責任が追及されている。
ハマース側は今度の統一政府の結成は、あくまでもハマースによって結成されるべきものであって、マハムード・アッバース議長やファタハには、その権限がないとしている。
こうしたハマースの強気の姿勢は、マハムード・アッバース議長に勝る、イスマイル・ハニヤ首相に対する支持率も、影響しているものと思われる。もし、現段階でパレスチナ自治政府議長選挙が行われれば、イスマイル・ハニヤ首相が当選し、マハムード・アッバースは敗北するという、世論調査の結果が出ているからだ。
しかし、もし、ハマースがそのままの主張を繰り返して妥協しなければ、最終的にはファタハとハマースとの間で、武力闘争が展開される懸念もあろう。その場合、パレスチナ人は混乱とより悲惨な状況に、追い込まれるということではないか。
そのような状況を喜ぶのは、ネタニヤフ氏をはじめとする、イスラエルの強硬派だけではないのか。