イスラエルのガザ侵攻もう一つの見方

2009年1月 7日

 トルコの空軍退役将軍クルサト・アトルガン氏は、今回のイスラエルによるガザ地区への軍事進攻について、他とは異なる見方を明かしている。

クルサト・アトルガン氏によれば、今回のイスラエル軍による陸海空からのガザ地区への攻撃は、ハマースをせん滅し、ガザからのイスラエル領土へのミサイル攻撃を止めることを、目的としたものではないというのだ。

 彼クルサト・アトルガン氏は、今回のイスラエル軍による大規模な、ガザ地区への軍事侵攻は、あくまでもイスラエル国内の政治問題に、端を発するものだということのようだ。

 確かに、ハマースはイスラエルがファタハに対抗する組織として、活動を認め(黙認)、今日のような規模にまで発展したものだ。

 しかし、ハマースの活動を黙認したイスラエル政府は、ハマースが7-80パーセントのパレスチナ人を、代表する組織にまで拡大するとは、予測していなかったようだ。

 イスラエル政府としては、パレスチナ内部で、ハマースとファタハが拮抗し、潰しあいをすることを期待していたのであろうか。

 イスラエルの戦争開始の動機が、クルサト・アトルガン氏の主張の通りであるからであろうか。イスラエル側はいまだに、明確な戦争目的を語れないでいるし、どうもいま一つ、戦闘に気迫がこもっていないような、気がしないでもない。

 それに引き換え、パレスチナ側ハマースは、決死の戦いを展開している、と言えるのではないか。この精神面での違いが、今後イスラエル側に思いのほかの被害犠牲を、生み出すことがあるのではないか。