ヘズブラはガザ戦闘に参戦しないという情報

2009年1月 6日

 レバノンのヘズブラが、ガザの戦闘に呼応して、イスラエルを北から攻めることになれば、イスラエルは相当苦戦するだろうという予測を、だいぶ前に書いた。そうなれば、西岸のパレスチナ人も戦闘を開始し、イスラエルは三方向から、挟撃されることになるからだ。

 しかし、ここにきてヘズブラは参戦しない、とする意見が増えてきてる。イランのジャリール氏がレバノンを訪問して、ヘズブラのナスラッラー師と会談し、アサド大統領とも会談したことを報告したが、その訪問目的は、戦闘の拡大を避けるためのものではなかったか、という推測を述べた。

 加えて、レバノンの元首相の子息で、国会議員のハリーリ氏も、ヘズブラはガザの戦闘に参戦しない、という意見を述べている。もちろん、彼の発言はそれなりの確証があってのものであり、単なる希望的観測ではあるまい。

 しかし、他方ではヘズブラが望むと望まざるとにかかわらず、参戦することになるのではないかという推測記事が、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙には出ている。

 この記事のなかで開示されている、ヘズブラ参戦の可能性は、次のようなものだ。まずヘズブラのなかには強硬論(参戦派)と、穏健派(不戦派)が存在し、強硬派はハマースに呼応して、戦うべきだと考えている。ナスラッラー師は今のところ、参戦しないという立場にいるが、もしハマースが敗北しそうになれば、参戦せざるを得なくなるだろうというのだ。

 なぜならば、今回のイスラエルとハマースとの戦闘は、抵抗派に対するイスラエルの圧力(軍事攻撃)であることから、次はヘズブラが攻撃の対象になる可能性が、高いからだということだ。

 もうひとつの意見は、ヘズブラのメンバーがパレスチナの戦闘員とともに、ガザで戦うという構図だ。これであればヘズブラはあくまでも、個人的な参加であり、レバノンの立場ともヘズブラの立場とも、関係ないとすることができ、イスラエルの攻撃を受けずに、済むだろうということのようだ。

 今のところ、一番可能性が高いのは、パレスチナ人の戦闘員に交じって、ガザでヘズブラのメンバ-が、戦うことではないか。戦闘の拡大は何としても、避けてほしいものだ。

 イランやバハレーンは、石油を武器に世界に停戦を迫る、という方法も考え始めている。日本も真剣に対応する必要があろう。