トルコのナショナル・テレビTRTが、24時間のクルド語放送を開始した。
開始に当たって、エルドアン首相はクルド語で短いスピーチをし、クルド人には好評だった。加えて、トルコで有名なの女性歌手が、クルドの歌をクルド語で歌い、喝采を浴びたようだ。
このクルド語放送に続いて、アルメニア語でも放送が、2月から始まるようだ。トルコが多民族からなる国家であることを、実感させられる。トルコはこれ以外に、アラビア語、ペルシャ語の放送も始める方向にある。
中東がいまガザでの惨劇を前に、暗いニュースでカバーされているなかで、このうれしいニュースは、貴重な明るいニュースであろう。
しかし、野党側の人たちは、必ずしも歓迎していないようだ。国家予算を使ってクルド語の放送をすることは、適切でないとする意見や、他言語はによる放送は民間が、民間の資金でやればいいことだ、という意見のようだ。
野党の中からは、クルド語のテレビ放送が始まったことは、与党AKPが3月の地方選挙で、得票することを狙ったものだ、という批判もある。しかし、クルド人がトルコの国民の3分の1を占めている以上、クルド語で放送が行われることは、自然な流れであろう。
クルド語放送が始められたことに対する、クルド人の評判はなかなかいいようだ。エルドアン首相のクルド語でのスピーチも発音がいいと好評なようだ。
トルコはこれで将来に向けた、新たなステップが踏み出されたということであろう。