12月31日から来年1月3日まで、掲載を休むというお知らせを昨夜書いたが、早速友人数人からお叱りを受けた。中東では悲劇的なことが起こっている。それを放置するのかということだった。
それは中東の人たちを放置するだけではなく、日本の安全をも放置することに繋がる。そこで今日も書くことにした。
確かに昨日から今日にかけて、幾つもの書きたいニュースが入ってきている。まずサウジアラビアの宗教権威者であり、カタールに亡命している、世界的にも著名なエジプト人宗教学者、カルダーウイ氏の弟子でもあるシェイク・サルマーン・アウーダ氏が、ファトワを発した。
シェイク・サルマーン・アウーダ氏は「血は血で償わせろ」と語り、ジハードを行うようイスラム教徒アラブ人に呼びかけている。
もう一人のサウジアラビアを代表する宗教学者、シェイク・カルニ氏もアラブ諸国政府を非難し、エジプトはガザ・ゲートを即刻開けと語っている。
こうした著名な宗教学者の意見は、じわじわと大衆の間に浸透して行き、アラブ各国政府は、苦しい立場に追い込まれて行こう。
これまで何度か触れたレバノンのヘズブラも、来年早々に、具体的な軍事行動に出る可能性が出てきている。ヘズブラのリーダーであるハサン・ナスラッラー氏は、ガザの住民に対して支持を送るとともに、新たなイスラエルとの戦闘に備えるよう、第一級の警戒態勢に入ることを指示している。
ある友人がメールで知らせてきたのは、ヘズブラがシーア派であることから、来年1月7日前後に、行動を起こすのではないかという予測だ。1月7日はイスラム暦のムハッラム月10日にあたり、シーア派はこの日をアーシューラの日としているのだ。
ガザの悲惨な状況を前に、イスラエル国民なった48年組と呼ばれるパレスチナ人の間にも、動きが出てきているし、西岸のパレスチナ人の間にも、武力闘争を開始すべきだ、という意見が拡大してきている。
こうした新たな動きの前には、マハムード・アッバース議長は、何の指導力も持っていないし、。他のアラブ首脳も同じであろう。エジプトのムバーラク大統領がガザ問題で非難を浴び、対応に苦しんでいるが、簡単にはガザとエジオプトとのゲートを、開くことは出来ない。
ゲートが開かれ、ガザの住民がエジプト国内になだれ込めば、ガザの惨状が語られ、エジプト国民の間で一気にイスラエル討つべし、というう感情が高まろう。しかし、エジプトがいまイスラエルと戦っても、勝利する確率は決して高くない。戦争の形態が完全に変わっているからだ。
ガザの悲惨な状況が中東全域に拡大する危険性は、日に日に高まっている、ということだ。