アラブの2009年予測―希望か

2008年12月26日

 アラブ諸国でも、来年2009年という年がどのような年になるのか、高い関心を持たれている。もちろん、願わくば、中東地域が平和な状態になり、経済的にも、繁栄するということであろう。

 アラブのアルハヤート紙は、2008年を振り返り、大きな出来事を並べている。それによれば石油価格の急低下が第一であり、結果的にはアラブ世界全体が、経済的困窮に追い込まれたとしている。

 そして、第二に挙げたのが、バラク・オバマ氏の大統領当選だった。アラブ紙は彼、バラク・オバマ氏がアフリカに祖先をもつ、第三世界のルーツの人物であることから、これまでのアメリカの大統領とは、根本的に性質を異にすると、期待を寄せている。

第三に挙げているのが、2018年ごろには先進国が、水素エネルギーや電気をエネルギーとする、自動車を生産し市場に流し始めることから、産油諸国はますます苦しい状況に追い込まれる、危険性があるとしている。

そうした現状分析の上に立ち、アルハヤート紙は以下のことを、2009年に予測している(期待)。

 

:アメリカ軍の早期撤退。

:イラク再建への各派の協力。

:イスラエル・アラブの和平。

:イラン・アメリカの対話による湾岸諸国の安定化。

:イラン・トルコを含む湾岸諸国・イラクの地域協力機構設立の提言。

 

 ここにアルハヤートが挙げている項目は、直接的な細目に当たるものではないが、地域にとって最重要な問題ということであろう。それを理解し、日本が地域に貢献するべきであろう。

 一方的な日本の独りよがりの協力は、税金の無駄遣いであるばかりか、決して援助を受ける側の国々に、歓迎されないのだから。