ネタニヤフのブラフ・イランの危険は歴史的

2008年12月19日

 来年の選挙の結果では、イスラエルの首相の座に、強硬派政党のリクード党のネタニヤフ氏が収まる可能性がある。その可能性は現状からすると、決して低くはない。

 そのネタニヤフ氏は、最近、事あるごとに、次の首相は自分だと言いふらしているが、相当に次期選挙での勝利に、自信があるのであろう。それだけに、彼の発言はすでに死に体となっている、オルメルト首相の発言の、何倍もの影響力と、迫力があるということだ。

 そのネタニヤフ氏は、つい最近フランスを訪問し、サルコジ大統領と話し合っているが、その後、彼はイランの核兵器が、人類史にも挑戦するような、きわめて危険な動きだと語っている。

 彼によれば、イランのような過激思想を持った国が、核兵器を持つに至る状況を、世界が放置することは、きわめて危険だということだ。

 ネタニヤフ氏のこの発言は、来年の1月に誕生する、オバマ氏に対するリトマス試験紙ではないのか。オバマ氏がこのネタニヤフ氏の発言に、何の反応も示さないとすれば、イスラエルやユダヤの強硬派は、オバマ氏に対し、厳しい対応を採っていくことが予想される。

 ネタニヤフ氏の今回の発言は、一石二鳥の効果を狙ったものではないか、と思われるのだが考え過ぎだろうか。

しかし、問題はこうしたイスラエルの政治家の発言が、イスラエル国民の不安をますます高め、結果的に、ありもしないものを恐れるという、イスラエル国民の間に、幻覚症状を生み出す危険性があるということだ。