現代版スパイ大作戦がイラン・トルコを舞台に

2008年12月16日

 イランのムハンマド・リダー・アリヤーン大佐が、イランからトルコ東部のイランとの国境に近い街、ワンに逃れてすでに3ヶ月が経過している。

 その後の彼の足取りが、全くつかめていない。彼は家族を連れてトルコに逃亡したのだが、それは彼が関係していた、イラン国内での虐待問題で、人権委員会から追及されていたことが、原因だと言われている。

 しかし、それは表面上の口実ではないかと思われるのだが、この記事を書いた記者も、同様の疑問を投げかけている。

 ムハンマド・リダー・アリヤーン大佐は、イランの核開発に関する、極秘の情報を持ち出している、という情報があるからだ。

 当然のことながら、彼を追ってアメリカとイスラエルの情報機関が、動いているという話が記事には書き足されている。実はすでにアメリカかイスラエルによって彼ムハンマド・リダー・アリヤーン大佐は彼の持ち出した、核開発の極秘書類とともに、保護されているのかもしれない。

 トルコの情報部の調べでは、このムハンマド・リダー・アリヤーン大佐が突然姿を消したのは、イランの元国防大臣アリー・リダー・アスカリー氏が、イスタンブールを訪問した後に、姿を消した時の状況に似ているということだ。

 あるいは、人権委員会の追及を恐れたというのは口実で、彼ムハンマド・リダー・アリヤーン大佐は、はじめからイランの核開発の秘密情報を、アメリカあるいはイスラエル側に渡し、亡命する事が目的だったのではないか。

 このニュースは、あまり大きく取り扱われていないが、アラブやトルコの人たちの間では、すでに最大関心事のひとつに、なっているものと思われる。

 イランがこのニュースをいまだに伝えていないのは、自国の核開発に関する極秘資料が、アメリカあるいはイスラエル側に渡ったことを認めたくない、イラン国民にその事実を知られたくないからなのではないか。

 さて、それではイランの核開発に関する、極秘資料を入手たと思われるアメリカあるいはイスラエルは、この資料を元に、次にどの様な行動に出るのであろうか。そこが一番の問題ではないのか。