ギングリッチがイスラエルにイラン攻撃あおる発言

2008年12月 7日

 

 アメリカのニュート・ギングリッチ氏がイスラエルに対して、イラン攻撃をあおる発言をしている。彼に言わせれば、イランの核兵器開発を阻止するための、軍事的準備をしないことはおろかだ、というのだ。

 ニュート・ギングリッチ氏は、イスラエル政府は来秋までの間に、イラン攻撃のデッド・ラインを設定することがいい、とまで語っている。まさに、そこにある危機、という感じの助言といえよう。彼に言わせれば、アメリカもヨーロッパ諸国も、イランの核開発について非難しているのであるから、イスラエルによるイランに対する軍事攻撃は、非難されることにはならないということのようだ。

 イランのアハマド・ネジャド大統領は、これまで何度となくイスラエルに対する、国家としての存在を否定する発言をしてきているし、テルアビブに対する攻撃も辞さない、といった内容の発言をしてきている。

 イスラエルの国防省も、アメリカの参戦無しにもイランを攻撃する用意があることを、明らかにしている。これに対し、アメリカはイラン攻撃をイスラエルが実行しても、制裁を加えることはない、という立場をとっている。

 それは、アメリカが決してイランの核兵器開発を許さない、という明確な立場があるからだ。したがって、イスラエルはアメリカがイラン攻撃に、グリーンライトを出すのを、待つ必要はないということだ。

加えて、国連の核兵器査察団は、イランが核兵器を開発することはありえない、という証拠を示せないでいる。

 国連のIAEA査察団は、イランがウラニューム235を、5パーセントのレベルまで濃縮していると報告している。しかし、これに対しイランは、核兵器の製造には、ウラニューム235は90-パーセントの、濃縮レベルが必要なのだと反論している。

 ニュート・ギングリッチ氏が何故この時期に、イスラエルに対し、イラン攻撃をあおる発言をしたのか、そしてこの時期にイスラエルが決断することが、オバマ次期大統領の核兵器抑止策に、大いに貢献すると発言したのは何故か。