新米大統領にイスラエル・アラブが期待すること

2008年11月 5日

 日本時間の11月5日昼ごろ、アメリカの新大統領が決まった。以前から予測されていた民主党の候補者、オバマ氏が選ばれたのだ

 このオバマ大統領がこれから、中東地域で直面する解決困難な問題は、山積している。そして、アラブ諸国もイスラエルも、オバマ大統領が唱えるチェンジとは、中東地域の場合どのようなものになるのかを、虎視眈眈と待ち受けている、ということであろう。

 イスラエルのエルサレム・ポスト紙は、オバマ大統領を待ち受けている中東問題として、イラン問題、イラク問題、イスラエル・パレスチナ問題、シリア問題、エジプト問題を挙げている。

:イラン問題については、イランの核兵器開発をどのようにして阻止し、話し合いによって緊張を、緩和させていくかということだ。

:イラク問題については、シリア・イラン・トルコとのかかわりの中で、いかにしてアメリカが、イラクから手を引いていくかということだ。

:イスラエル・パレスチナ問題については、援助だけではなく、アメリカの直接的な関与によってしか、問題が解決しないことを、明確に認識する必要があろう。

:シリア問題については、シリア自身が国際的な孤立の、限界点に近づいていることを認識し、アサド体制の安定を保証しながら、いかにしてイランやヘズブラとの関係を、薄めていかせるかということであろう。

:エジプトにとっての問題は、述べるまでもなく、ムバーラク大統領の高齢化に伴う、彼の後継者選びであろう。この問題に対する対応を間違えると、エジプト国内に政治的空白が生まれることになり、それは中東全域に不安定を生み出す、危険なものとなろう。

 そのいずれもが、決して容易でないことは、ブッシュ体制下のライス国務長官の、努力を見れば分かろう。誰がオバマ体制下で、新国務長官に就任するか分からないが、大変な困難を背負い込む時期を、迎えていることだけは確かだ。