日本では全く報道されていないが、いまイスラエル国内では、入植者と軍や警察の衝突が、繰り返されている。
こうした現象は、外国から移住してくる、ユダヤ人たちを受け入れる、入植地は次第に手狭になっていることと、入植者の経済状態が苦しいことに、起因しているのではないかと思われる。
しかし、イスラエル政府は経済困難と、外国からの圧力により、入植者たちに対して、援助をし難くなっている。そうしたなかで、入植者たちは土地を拡大し、そこを耕して収入を増やそうとする者や、入植地の住宅地を拡大して、不動産で利益を上げようとする者が、出てきているのだ。
最近では、パレスチナ人農民がオリーブの収穫期を迎えており、そのオリーブ畑を入植者たちが荒し、土地を占領する動きに出たために、死傷者までも出す、大混乱となったこともある。
結果的に、イスラエル政府は軍や警察を使い、これを阻止しなければならなくなっている。
そうなると、入植者たちはイスラエル政府は何故、入植者者のイスラエル国民を守らずに、パレスチナ人を擁護するような行動に出るのか、と政府非難を始めることになる。
早晩、イスラエルは何らかの妥協を、パレスチナ側と交わさなければ、将来的には、パレスチナ人口の増大によって、イスラエルがパレスチナ人口に、飲み込まれてしまう危険がある。
イスラエルの北部都市、アッカで起こった衝突は、そうした黒い将来を、予測させるものであった。つまり、イスラエル国内で本格的なインテファーダが、起こる危険性が高まってきているということだ。
リブニ女史がカデマ党党首に選出され。連立に失敗したが、選挙の実施を早めて、選挙で勝利し、新内閣を結成しようと思っている。もちろん、彼女はパレスチナや他のアラブ諸国との、共生を考えているのだ。
イスラエル国民の中の強硬派の人たちは、リブニ女史が首相になれば、イスラくエルは大幅な妥協を、パレスチナ・アラブに示すことになり、イスラエルは自滅していく、という不安感を強めている。リクード党の最強硬派、ネタニヤフ議員に対する支持が、最近増えているのも、そうした背景があってのことであろう。
現実に、そうした動きがあるのであろう。最近になってシンベト(イスラエル国内情報機関)の元幹部が、イスラエルの要人テロが起こる危険性が、非常に高まっている、と警告している。
ウルトラ・ユダヤ教徒の青年に、ラビン首相が暗殺された記念日を挟んで、彼とのインタビューの放映の是非をめぐり、イスラエルでは賛否両論が飛び交ったが、そのことも、近い将来の要人暗殺の、可能性を高めているのかもしれない。