短いが重要なニュース3本

2008年10月13日

 

:カルービ師の大統領選挙立候補

 イランでは71歳のカルービ師が、来年6月12日に行われる予定の、大統領選挙に立候補することを、、明らかにした。彼は前回の大統領選挙にも立候補したが、改革派内部の分裂によって、3位に終わっている。

 今回のカルービ師の立候補は、明らかなアハマド・・ネジャド大統領に対する、反対の立場からのものであろう。そう考えなければ、71歳の高齢者が立候補する意味が、わからなくなるからだ。

 カルービ師の立候補と前後して、イランのテヘランで最も影響力を持つといわれる、バザール商人たちがストライキを行った。バザール商人たちの意思で、バザールの入り口が閉鎖され、取引が止ったのだ。これはアハマド・ネジャド大統領の進めめようとしている、消費税に対する、反発から起こったものだ。

 1979年のホメイニ革命の成功の裏には、バザール商人の意思が、強く働いていたといわれたが、今回のバザール商人のストが、、カルービ師の動きと連動するものであるとすれば、今後、イラン国内の大きな政治的うねりに、なっていく可能性があろう。


:ムバーラクの後継候補は3人か?

 エジプトのムバーラク大統領が高齢であることから、何時、彼が大統領職を引退するのかが、これまでうわさに上ってきた。

 しかし、ムバーラク大統領はなかなか引退しそうにない。それは、彼が考えている後継者問題が、スムーズにエジプト社会から受け入れられない、可能性が高いからだといわれてきた。ムバーラク大統領は彼の次男、ガマール氏を後継にしたいのだ、ともっぱらのうわさだ。

 しかし、ここにきてエジプトの次期大統領候補として、3人の名前が浮上してきた。第一に挙げられているのはムバーラク大統領の次男ガマール氏であり、二番目に挙げられているのはスレイマン情報長官だ。そして、三番目に名前が挙がっているのが、ムハンマド・フセイン・タンターウイ国防大臣だ。

 スレイマン情報長官については、これまでも何度となく名前が出てきているし、彼はムバーラク大統領のすべての秘密を、握っている人物として、最有力候補といわれてきていた。しかし、ムハンマド・フセイン・タンターウイ国防大臣については、これまで、彼は大統領職を望んでいない、といわれてきている。

 この予測はイスラエルの情報機関モサドの分析だが、どこまで正確なのか興味が持たれる。ちなみに、モサドはムスリム同胞団について、エジプト国内状況を見てみると、権力奪取の機会が全くない、という予測を出している。

        

:ボスポラス海峡を結ぶ海底トンネルが開通

 トルコの商都イスタンブールと、対岸のウシクダルを結ぶ、海底トンネルが日本の大成建設をはじめとする、企業群によって連結した。この海底トンネルは、海底60メートルに、1・4キロメートル分の11本のチューブを沈め、それを連結するという工法だった。

 マルマラ海(ボスポラス海峡のある)の両岸を結ぶ計画は、オスマン帝国の皇帝が、148年前に夢に描いていた計画だった。それだけに、海底トンネルが連結すると、ギュル大統領もエルドアン首相も、早速このトンネルの中に入ってみている。

 エルドアン首相は、トンネルが完成することによって、高速道路が延長され、電車の路線も延長されると語っている。このトンネルが完成すると、一時間に最高で75000人が通過できる計算だ。貨物輸送用の列車は、午後11時から午前6時まで、このトンネルを使う予定になっている。

 イスタンブールの交通渋滞は、これまで問題視されてきていただけに、トンネルの完成が待たれるし、完成時には、日本の土木技術が、高い評価を得よう。また、両国の関係が現在よりも、緊密なものになることが期待される。