2011年には、エジプトの大統領選挙が行われる、予定になっているが、エジプトのコプト教会は、ムバーラク大統領の次男、ガマール氏が大統領選挙に立候補するのであれば、彼を支持すると発表した。
これは、コプト教徒にとって、最大の敵であるムスリム同胞団の勢力が、拡大することを懸念してのものであろう。述べるまでもなく、エジプトでは故ナセル大統領のと時代から、ムスリム同胞団は非合法組織とされてきている。
しかし、現実にはムスリム同胞団のメンバーが、職能組合組織などをバックに、国会に議員を送り出している。政府の規制と妨害が無ければ、ムスリム同胞団が、大きな政治勢力になっていくことは、十分にありうるのだ。
そうした事情が、コプト教会をしてガマールし支持に、回らせたのであろうが、かえって、今後エジプト国内政治の動向によっては、コプト教徒に危険な選択を、させたことになるかもしれない。
ムバーラク大統領の次男ガマール氏は、経済に明るいという評判だが、それは彼の取り巻きたちが、作り上げた幻影でしかない、という判断をする人たちもいる。
ムバーラク大統領が退陣した場合、与党内部で、どれだけがマール氏に統率力があるかも、不明だ。したがって、現段階におけるコプト教会の、ガマール支持発表は、少し時期尚早だった、可能性もあるのではないか。微妙な判断が、将来に大きく響く国柄だけに、関心がもたれる。