「ユダヤ版・風が吹いたら桶屋が儲かるの逆の話

2008年9月19日

 

 いまアメリカの金融業界が、大ピンチに陥っている。大手の企業が潰れ、第二段第三弾の大型倒産が、出るのではないかと懸念されている。

 そうなると、この金融ビジネスに最も長た、ユダヤ系アメリカ人の就職先がなくなるし、ユダヤ系アメリカ人が所有する金融会社が、軒並みに倒産するということだ。幸運にも倒産はしなかったが、利益が全く出ないという企業も出てこよう。

 そうなると、ユダヤ系アメリカ人の団体に集まる寄付が、激減するということだ。もちろん、ロビーストに支払われる金も、減ることになり、ユダヤ系アメリカ人や、イスラエル政府の、アメリカ政府に対する影響力は弱まろう。 

 同様に、マスコミに対して振り向けられる資金も、不足がちになり、ユダヤ人やイスラエルのイメージは、今後は悪化していく可能性があろう。最近、アメリカ社会の中に、反ユダヤの風潮が出始めている、と考える人たちが出始めているが、事実そうであろう。

 イラク戦争の犠牲者が、4000人をはるかに越えた今、アメリカ政府が巨額の負債を抱える今、南部を中心に、ハリケーンで発生した被害に対する、予算配分ができない状態では、いったい誰のためのイラク戦争なのか、誰が仕掛けたのか、誰が得するのか、、といった疑問の後に、ユダヤ人ネオコンという答えを出す人が少なくなかろう。

 イスラエルやユダヤ人は、こうした流れの中で、一番苦しい状況に、追い込まれていくのではないか。イスラエルに対する非難が、アメリカで芽生え始めているいま、イスラエル政府としては、マスコミを使い、ロビーストを使って、何とかこの風潮を変えたい、と考えているはずだ。それには、莫大な資金がいる、ということなのだが、その資金はどこから来るのか、ということになる。

 製造業からは、そのような利益は生まれないし、たとえ生まれたとしても、湯水のようには使えまい。結局、こうしたことに流れる莫大な資金は、、市場操作によって造られた利益、つまり金融界から上がる利益ということになるのではないか。

 そのパイプが細っていくことは、今後、アメリカ国内のユダヤ人の立場を苦しいものにし、イスラエルを危険な状態に、追い込んでいくことになるのではないか。つまり、アメリカの金融業界が冷え込むことは、ユダヤ人とイスラエルを、寒からしめるということだ。