ギュル大統領がアゼルバイジャンに交渉助言

2008年9月11日

 アルメニアを訪問したギュル大統領は、アゼルバイジャンに対し、アルメニアとの間で、1993年以来、アルメニアによって占領され続けている、ナゴルノカラバフ問題の解決のための、交渉に入るよう促している

 ギュル大統領は彼のアルメニア訪問の中で、ナゴルノカラバフ問題が解決しうる段階に入ってきている、と判断したようだ。彼は「アルメニア訪問時にあらゆる問題について、オープンに話したが、アルメニアとアゼルバイジャンの間に横たわる問題の解決も、強調してきた。」と語っている。

表面的にはあくまでも、サッカー観戦が目的であったが、やはりトルコ・アルメニア関係、アルメニア・アゼルバイジャン関係についても、意見交換してきているようだ。そして、その中で彼は、アルメニア側にアゼルバイジャンとの問題で、妥協の余地があることを、感じ取ってきたようだ。

 トルコとアルメニアとの間に横たわる、アルメニア人虐殺問題について、ギュル大統領は「第二次世界大戦で500万人の人が亡くなったが、ドイツとフランスは現在では、強い同盟関係に至っている。我々も将来に向けて、考えなければならない。」と語っている。

 現段階では、アゼルバイジャン側は、ナゴルノカラバフ問題が解決されない限り、トルコの提唱するコーカサス問題解決のためのプラット・フォームには、参加しない意向だ。

ちなみに、このプラット・フォームにはトルコ、ロシア、アルメニア、グルジア、アゼルバイジャンの参加が期待されている。

 アルメニアが積極的に動き始めちることは、同国がロシアとの間に、距離を置き、西側との関係を強化したい、という意向があるからであろう。

今のところ、アゼルバイジャン側が積極的でないのは、あくまでも、国民の反対派を意識した、政府の立場であり、アルメニアとの間に、問題解決を希望していない、ということではあるまい。今後の、トルコの積極外交が楽しみだ。