再燃し始めたイラン・イスラエルの緊張

2008年8月30日

 

イランのマスウード・ジャザーイリ副総参謀長は、イランに対する軍事攻撃が、イスラエルかアメリカによって行われれば、新たな世界大戦に、拡大しようと語っている。同じように、ヨルダンのアブドッラー2世国王も、戦争になれば(アメリカやイスラエルの)目的は失敗するだろう、と懸念を表明している。

  アブドッラー2世国王によれば、イスラエルにはイランの核施設を破壊するに、十分な能力がないということだ。イランの国際的な存在価値を認めて対応しない限り、戦争は中東地域諸国を、困難で危険な状況に、追い込むことになると、同国王は強く懸念しているのだ。

 他方、イランのアリー・レザ・シェイク・アッタール外務次官は、ウラン濃縮施設が、3000基から4000基に増えたことを語っている。つまり、当初表明していた6000基には、いまだに至っていないことから、ある程度の遅れがあるということになる。

 こうした状況下で、イスラエルはイランが核の能力を、拡大していくことを絶対許さないと語り、イランが核のゴールに到達することを許さないし、そのためには、いかなる手段も選択すると語っている。つまり、イランが核兵器を所有するに至ることは、断固として認めないし、そのためには、軍事攻撃も辞さないということだ。

 過去数日間の間、イランの核に関する報道は、ほとんど停止した状態にあり、イランからもイスラエルからも、アメリカからも出ていなかったが、ここにきて、急に各国から再度聞こえ始めたのは、何らかのことが前進し、次の段階に入っていることを、示しているのではないか。

 すでにお伝えしたように、イスラエルの依頼で行った、アメリカ国民に対する、アンケート調査の結果では、大半のアメリカ国民は、外交手段でイランの核開発を止めることができないのであれば、イランの核施設に対する、軍事攻撃を支持しているとも伝えられている。

 事態は日本人が考えているほど、安心できるものではないのではないか。