イラクのマリキー首相は、アメリカ軍が2011年には、イラクから撤退する合意ができたと語った。しかし、アメリカ政府はこの点について、合意がいまだになされていな、という立場を表明した。
いったい何がこうも、全く異なる、合意をめぐる発表になったのだろうか。マリキー首相はバグダッド地域の部族長会議で、明確に、2011年にはどの外国軍も、イラク国内に留まらないことに合意した、と語っているのだ。
アメリカ政府のスポークスマンは、われわれは交渉していないのだから、交渉なしに合意はないと、マリキー首相の発言を全面否定している。
イラクの議会スポークスマンのマハムード・マシュハダーニ氏は「イラク政府のイラクの議会もアメリカ軍が長期的に、イラク国内に駐留するか否かについて、イラクは話し合う状態にはない。」と語り、この問題は、イラクの次世代にもかかわることだから、早急に合意しなければならない、ということはないと説明している。
では、いったい何が、マリキー首相をして「アメリカとの間に、アメリカ軍の撤退が2011年末で合意された。」と言わせたのだろうか。それは、マリキー首相自身が、アメリカ軍のイラク国内駐留を望んでいない、ということではないのか、とする解釈が、アラブ世界では主流になっているようだ。
確かに、アメリカ軍の駐留は、結果的にアメリカ軍の責任とは言わないまでも、部族間、人種間、イデオロギー間、宗派間に、殺戮を継続させている。
イラクシーア派の権威であるシスターニ師も、アメリカ軍のイラク駐留を望んでいないことから、イラク国民の間では、アメリカ軍の存在が嫌悪されており、マリキー首相としては、イラク国民の意思を受け、一日も早いアメリカ軍のイラク撤退を、実現したいということであろう。そのマリキー首相の気持ちが、バグダッド地域の部族長会議で、出たのではないか。もちろん、アメリカの反応を見ようという意向もあろうが。
*最近二kなって重要な情報の量が激減しています。どこかの国が抑え始めているのかもしれません。