イランがロシアから、最新鋭の地対空マルチ・ターゲット・ミサイルを輸入し、配備することになった。既にこのS-300地対空マルチ・ターゲット・ミサイルは、イランが核施設防衛のために、配備しているが、今後は大量に輸入し、防衛をより一層確、実なものにしようということであろう。
しかし、このS-300ミサイルが、イランに届くのは、今年末のようだ。それは、場合によっては、イスラエルやアメリカの攻撃が行われるとすれば、間に合わないかもしれないということになる。
イスラエルやアメリカによる、イランに対する攻撃は、早ければ9月の終わりから10月にかけて、遅くとも10月末から11月の前半に、実施されると予測されているからだ。
ロシアはもちろん、このイスラエルやアメリカの意向を知っている。つまり、そのことを分かった上で、イランに対するミサイルの引渡しを、遅らせているのかもしれない。ロシアは自国製のミサイルを、イランにはベラルーシ経由で、届けることになっているようだ。
つまり、ロシアはあたかもイランを支援しているようなふりをして、イランにミサイルを売りつけ、イランがそれを必要とするときまでには、引き渡さないのではないか。
そうであれば、イスラエルもアメリカもロシアのイランに対する、ミサイル売却に文句を言うまい。一番馬鹿を見るのは、イラン政府と国民、ということではないのか。
イスラエルは先に行った、地中海空域での軍事訓練で、クレタ島に配備しているS-300を対象に、機能を停止させるノウハウを得たようだ。したがって、イスラエルがイランを攻撃する際に、たとえイランがS-300の入手を早めたとしても、あまり効果は期待できない、ということかもしれない。