イランが6000基の遠心分離機揃える

2008年7月27日

 イスラエルのエルサレム・ポスト紙が、イランのファルス通信の情報として伝えたところによれば、イランのアハマド・ネジャド大統領は土曜日、アメリカに対する勝利宣言とも取れる発表をした。イランの北部の町マシャドで、アハマド・ネジャド大統領は、イランが6000基の遠心分離機を、揃えたことを宣言した。

 述べるまでもなく、この遠心分離機は、ウラニュ-ムの濃縮に使われるものだ。4月の段階では3000基だったものが、その後、国連の核査察団は5月の段階で、イランが3500基の遠心分離機を、揃えたことを報告している。

 しかも、これまで使用していた濃縮の設備P-1ではなく、もっと精度の高く効率のいい、IR-2を現在では使用しており、効率は2倍以上になっているというのだ。

したがって、イランはいまウラニュームの濃縮で、テスト段階ではなく、産業レベルにまで、濃縮が可能になっているということであろう。そして、この濃縮作業のの結果、イランは既に、核兵器生産が出来る段階に、到達しているということだ。

 アハマド・ネジャド大統領は、アメリカがこれまで、濃縮を止めることを、イランと話し合う条件だとしてきたものを、イランが濃縮を止めていない状態で、スイスの会議にウイリアム・バーンズ国務次官を送ったことで、アメリカはイランに妥協したのだ、と勝利宣言をしていた。

 問題はこのアハマド・ネジャド大統領の、あくまでも強気の姿勢に対し、アメリカはどう対応するのか。そして、最もイランの核に脅威を抱いているイスラエルは、どう出るのであろうかということだ。

イランとアメリカ・イスラエルとの間では、刻一刻と緊張と危険が、高まっているのではないのか。